旧市民球場

スタジアム後手でサンフレ危機

2011年12月22日

中国新聞の今日付朝刊が「サンフレッチェ広島減資」のニュースを伝えた。先ごろ、高額な年俸がネックとなってクラブ史上最高と評されるペトロヴィッチ監督との契約を見送り、クラブ生え抜きの森保新監督を迎えたばかり。しかし、長年の借金体質からクラブが抜け出すためには、こうした思い切った手が次々に必要となっている。
新聞報道によれば、資本金21億円のうち99パーセントを債務圧縮に回して、20億円を超える累積損失を5000万円まで圧縮。それと並行して、既存株主、スポンサー各社などに対して、約2億円を目標に協力を求め、増資を図る。
Jリーグでは来年度からクラブの経営状態を詳細に審査するクラブライセンス制(文末に補足)が導入される。Jリーグ市場も日本経済と同じく縮小傾向に歯止めがかからないため、Jリーグとしては各クラブの経営安定化を急ぐのが狙いだ。
現在、Jリーグ全38クラブ中、累積黒字の経営は7クラブしかない。サンフレの10年度、20億円の累損はJ2にいる京都の38億円に次いで多い危機的状況にあるという。
今後、どこまで資本金を上積みできるかにもよるが、減資によってもうあとがないサンフレッチェ広島は来年度以降、単年黒字化路線を歩むしか残された道はなくなった。
そのためには、安定した収益の確保が第一で、何よりも望まれるのが観客動員のアップということになる。
Jクラブの収益の3本柱は入場料収入、グッズなどの販売収入、スポンサー収入。そしてJリーグからの分配金がここに加わる。観客動員力を高めることで、あとの収益もついてくる。
その点からいけば、動員力アップの起爆剤となる、新スタジアム構想がもう10年以上に渡り「構想の段階」から次のステップに進んでいないことは大きな問題と言える。
Jリーグ発足当時は全国に広島を含めて10クラブだった。その10クラブのホームタウンは茨城県鹿島町など近隣地域、埼玉県浦和市、千葉県市原市、神奈川県横浜市と川崎市、静岡県清水市、愛知県名古屋市、大阪府吹田市。(いずれも当時の行政区域)
その中で未だにサッカー専用スタジアム(ラグビーなど球技共用含む)を持っていない都道府県は広島と大阪だけ。その大阪では紆余曲折を経て、今年10月にG大阪が約3万2千人以上収容のサッカー専用スタジアムを大阪府吹田市の万博記念公園内に建設する方針を固めた。
スタジアムはスタンド部分が屋根で覆われ建築費用約150億円の大半を企業やファンからの募金で賄う方針。親会社のパナソニックなどから約80億円を調達するめどが立っている。
受け入れる自治体側では、1220日の吹田市議会文教市民委員会で全会一致で議案を可決し26日の本会議もクリアする見通しとなっている。
あとからJリーグに加わったクラブのホームタウンの自治体でも続々とサッカー専用施設が建設される中、「オリジナル10」で最後に残されたのが広島…、という、かつての「スポーツ王国」にあってはならない事態が現実とものとなっている。
199612月、2002年日韓W杯共催の国内会場に有力視されながら「ビッグアーチには屋根をかけない。サッカーは傘をさしながら観戦できる」と発言して「落選」の悲哀を見た、当時の平岡敬広島市長でケチがつき始めた広島のサッカー界…。(広島がW杯会場から落選した変わりに繰り上げ当選した新潟は今やJリーグ観客動員数トップ3を誇る先進地)客観的に見て、その悪い流れがそのまま、1999年2月に初当選した秋葉前市長の時代に引き継がれていった。
2003年の市長選挙で秋葉前市長は選挙戦の公約に「サッカースタジアム」を掲げていたが、市長選後にサンフレ担当者らが期待を胸に市役所に秋葉前市長を訪ねると「私はみなさんが造るなら協力していきましょう、と言ったまで」とその発言内容は大きくトーンダウン。当時、地元では大きなニュースになっていた。
そののちに、サンフレッチェ広島や県サッカー関係者の方から「広島市が負担しないでいい形で、広島市民球場を活用したサッカー場プラン」を立案して秋葉前市長に提出したこともあったが、こちらはニュースにさえならなかった。
秋葉市政の目玉のひとつとしてこの時期、盛んにメディアに取り上げられていた旧広島市民球場跡地活用策の問題では、民間コンペにより決まったとされる「折り鶴展示施設」などにばかり報道の目が向き、市民らからの要望が非常に大きかった「観光・賑わい施設」や「サッカー場」などの声は跡地活用策を広島市が探る過程でみな却下されていった。
一方で「広島・長崎五輪構想」を掲げた秋葉前市長は寄付金と圏内既存施設を活用してのオリンピック実現へ向け、人とカネを投じて「五輪招致計画」を進めていった。
一方ではアマチュアスポーツ最大の祭典を推進しながら、もう一方では地元プロスポーツクラブへの援助を推進しない。そんな矛盾したスポーツ行政がまかり通っていた(1994年の広島アジア大会開催以後、目標の見えにくくなった)広島にとって、何とも悔いの残る不毛の10数年だったと言うことか…。
広島市がカープの本拠地として新球場を貨物ヤード跡地に建設することを発表したのは広島アジア大会から11年後の20056月だった。
それまで県知事、県内各経済団体ほかオール広島で「現在地建て替え」を進めていたにも関わらず秋葉前市長が「現在地建て替えは困難」と発表。同年10月の市議会ではヤード跡地建設へ向けての予算が初めて承認された。
…ということはこの時点で旧市民球場跡地に「サッカー場」建設を決めていれば、とうの昔にその「構想」は「実現」していたということになる。6年もあれば十分だろう。
ところが旧市民球場は今、9割方その解体を終えただけで、世界遺産の原爆ドームに隣接する世界的にも稀有なこの空間には、次に何を創るのかさえ、まったく決まっていない状態だ。
こうした経緯を見返していくと、サンフレ自体に内包する経営課題の克服は当然のことながら、長らく県民、サポーターから要望の声が上がってきた「サッカー専用スタジアム建設構想」に手をこまねいてきた自治体、県サッカー関係者の問題意識の希薄さが、サンフレの経営を崖っぷちに追い込むひとつの要因になった可能性は否定できない。
事実、ここ10数年で放送権料収入が10億円の単位で減少し新たなビジネスモデルを構築していく必要性に迫られていたカープは、新球場「マツダスタジアム」という器を最大限に活用することで、巨人、阪神などと共に12球団でも少数派の黒字経営を続けている。
J誕生から20年間、カープと並ぶ地域の宝として県民共通の象徴、財産である、サンフレッチェ広島が大きな試練を迎えている。
参考)Jリーグのライセンス審査について
審査に5つの分野があり、柱は三つ。
1、育成年代の整備 
2、競技場整備 
3、財務・法務
具体的には、3年連続で赤字を出したJ1のクラブはJ2に降格させる方向で調整中。毎年、各クラブの財務面、施設面などが厳しく審査され、その結果でライセンスが交付される。ライセンスを取得できないクラブはJ1、J2に参戦できず、JFLへ降格する。

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「第4回コイのサミット」開催のお知らせ

2014年3月22日(土)に「第5回コイのサミット広島」を開催いたします。

「早く日取りを決めて欲しい!」という熱い声にお応えして、日時と場所だけ確定いたします。パネリストの方の人選など不確定な部分もございますがご了承ください。
みなさん最大の楽しみ!二次会の予約も済ませました。場所はもちろんHarayaさんです。今回もまたファン同士の結束を高め(要するに飲み会…)、1991年以来のリーグ優勝を目指すべく熱いシーズン開幕を迎えましょう!

なお初めての方も大歓迎です。私、田辺一球が楽しく!?お相手いたします。もちろんお一人様も大歓迎いたします。

翌3月23日(日)にはマツダスタジアムで午後2時からソフトバンクとのオープン戦が開催されます。しかも3連休の真っ只中です。楽しい「広島ツアー」にしていただければ幸いです。(宿泊施設のご用意はいたしませんので各自でお願いいたします)

★日時)2014年3月22日(土)午後2時「本会議」スタート予定(午後1時30分受付開始予定)※開始時間は、若干変更になる可能性もあります。詳細は、お申込みいただいた方にメールなどで通知いたします。

★会場) ウエストプラザビル2階ホール(広島市中区紙屋町2-2-2、TEL 082-504-3131)

★アクセス) 広島ど真ん中、紙屋町交差点からすぐ。高速バスなら広島バスセンター下車、広島電鉄なら紙屋町電停下車で徒歩数分、JR広島駅からタクシー15分以内。山陽自動車道広島ICより約6キロ。駐車場は用意されておりませんので近隣でお探しください。

★会費) おひとり様3,500円(税込、ドリンク&食事付き)中学生以下は無料。会費は当日、サミット開催前に受付で集めさせていただきます。おつりのないよう、ご用意ください。

★募集定員) 40名ぐらい…

★パネリスト)田辺一球(広島魂!代表)以外は未定

★サミット参加のお募集申込み方法
「本会議」とそのあとの「二次会」の2部構成です。「一球調査団」は、今回は実施しない方向です。「本会議」会場から「二次会」会場まではたぶん、徒歩でも行くことができます。路面電車利用の場合は実費のご負担となります。

参加希望の方は、メールで以下の項目を明記の上、お申し込みください。なお、会費を当日いただくこともあり、キャンセルは極力避けていただきますようお願いいたします。

・お名前 
・住所(郵便番号)
・年齢
・2人以上でご参加の場合は残る参加者全員のお名前と年齢
・あなた様、もしくは代表者連絡先電話番号(メールがお返しできない場合がございます。その際にお電話します)
・「二次会」参加の有無(お申込みのあと二次会のキャンセルは極力、避けていただきたいと思います)
・サミット参加回数(今回含む)
・その他、ご要望、ご質問など

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覚醒スイング

2013年04月07日更新

お立ち台に上がったふたりのヒーローが、冷たい風の吹きつけたデーゲームのスタンドを熱くした。

「常にみんな声が出ていて、点が入りやすいムードができていたと思うし、みなさんの応援もすごく僕らにとって大きな存在なので、本当にありがとうございました」

4打数で2得点3安打1打点と1四球の活躍を見せた丸がファンにメッセージを送ったあと、マイクを向けられたマエケンが言った。

「チームの状況は苦しいですけど、ファンの皆さんはちょっと暗いです。明るく笑って球場に来てください!」

開幕第2戦で8回1失点の投球を見せながら“不発”に終わったマエケンは、東京ドームでも投げていた130キロ台中盤の高速スライダーを組み立ての中心に据えた。WBCを経験したことで「帰国してから腕が振れるし意外にスピードが出ている」真っ直ぐに変化を感じ取り、スライダーも同じ勢いで振り抜くことができた。

「一番の西岡さんはもちろん、どの打順も怖い」という阪神打線を相手に終わってみれば7回2安打1四球の無失点とほぼ完璧に抑え込んだ。真っ直ぐと高速スライダー、それにチェンジアップを低目に集め、外野に飛ばされたのは西岡の中前田、福留の左飛、コンラッドの中飛の3度だけだった。

6対1快勝の原動力がマエケンの投球内容にあったのは間違いない。だが、打線の援護がなければエースと言えども勝ちようがない。

「二番の丸がいっぱい出ていっぱい帰ってきてくれました!」。ヒーローインタビューの初っ端にマエケンはそう叫んだ。試合の流れを作ったのは8試合消化時点で早くも3度目の猛打賞獲得し、一、二回と立て続けにナイス走塁でホームに還ってきた丸だった。

打つだけではない。走っても守っても球界トップレベルの水準を目指す。丸の“イチロー化計画”は新井打撃コーチの就任と同時にスタートした。

「バッティングは力じゃない、スイングスピードとレベルスイング、そしてボールを見送る姿勢の中にいかに打ちにいく形を作るか、だ」。新井理論をナインに浸透させる作業は前年秋の日南キャンプでその第一歩を踏み出した。

新井コーチが真っ先にやったこと。それはひとりひとりのバットの形状、グリップの形、バランス、重さのチェックだった。

丸のバットはそれまで使用していたものより30グラム前後軽量化され、“スイングスピードの高速化”を可能にした。同時にこれまでダウンスイングをイメージして、構えた時に両肩のラインより高い位置に固定していたグリップを、同ラインのかなり下まで降ろした。

「打撃改造」には勇気がいる。だが丸には迷っている時間はなかった。2011年に初めて規定打席に到達して105安打を放ったのに2012年は70安打を放つのが精一杯だった。目の前に大きな壁があることは分かっていた。2000本安打の新井理論を吸収することで覚醒する自分に賭けた。

2月、再び日南に入るやいなや反復練習が始まった。「レベルスイング」への移行は簡単ではなかった。「まだまだ、自分のものにするには相当かかると思います」。キャンプ序盤は試行錯誤の連続だった。

それでもシート打撃や紅白戦が始まると、丸のバットから快音が響くようになった。グリップの位置が下がったことでスイングが以前と比べてずいぶんシンプルになった。肩の余分な力も抜けたように見えた。

オープン戦の時期になっても極端にバッティングの状態が悪くなるようなことはなくなった。「外の球をとらえることができている。精度をもっと高めたい。手ごたえは感じています」。テーマのひとつだった「確実性」が増してきた。

試合前、新井打撃コーチが上げるトスを打つ、というルーティンはマツダスタジアムでも遠征中でも3月いっぱい続けられた。最初は外角の球を強くショート頭上へ強く打ち返せるように丸から見て左45度の角度から、続いて新井コーチが丸の正面に入り、ネットの影から上げるトスをフルスイングした。

新井コーチには、かつてイチローの打撃スタイルの基本を、このトスバッティングで固めた実績と経験、もっと言えば信念がある。同じ道を歩むことで丸のバットの軌道はそれまでとはまったく違ったものになり始めた。地面と平行にバットのヘッドを移動させ、最後の大きなフォロースルーと同時に風を斬る音が聞えてきた。

オープン戦の時期にはもうひとつのテーマにも挑戦した。オープンスタンスから右足を上げて踏み込もうとすると、相手投手が「クイック」で崩しにかかってくるようになったからだ。

自分のタイミングで打とうとすれば上げた足を降ろした時には完全に差し込まれてしまう。そこで上げた右足を途中で早めに一度、地面と接触させ軽くステップして本来の踏み出し位置に右足を着地させる「二段ステップ」に打撃フォームをアレンジした。

守ること、走ることにおいてもキャンプからワンランク、ツーランク上を目指して丸はやってきた。打つだけではレギュラーにはなれない。同時並行であらゆる課題に取り組みながら丸は2013年シーズンを迎えることになった。

日南キャンプ終盤、丸や安部の屋内打撃練習を見守りながら新井コーチが話し始めた。

「よく少年野球の本などに体重を残して振りにいき、そこからもう一度体重移動などと書いてあるがそれは間違い。それではスウェーしてしまう。ステップして着地した時にピッチャーに向かっていく形ができていれば体重移動していてもOK、言い換えれば下半身は打ちにいく、しかし上半身は残すんです。そしてみんな試合で10の力で振ろうとするけど練習10なら試合は8ぐらいでいいんですよ」

新井理論の引き出しはおそらく無数にあるはずだ。打球音とマシンの油切れの音が一定のリズムで繰り返される現場で話はなおも続けられた。

「ヘッドがうまく使えないとバットが折れたりもするんですよ。そのためにはまずバットの握りから変えなくてはいけない選手もたくさんいる。そうやってヒットを重ねていく。うまくいけば280には届く。その先、いかにして300をクリアするのか?そこにはラッキーなヒットや内野安打も当然、必要になってくるんです」

話の最後に新井コーチ自らが口にした「打率3割」の目標に到達できる愛弟子は果たして…?かつて神戸の空の下、「前人未踏のシーズン200安打」を可能にした新井理論とイチローの振り子打法が紡いだ物語。その続編がこの広島でまさに今、始まろうとしている。

カープと広島を愛する人たちに贈る携帯サイトの決定版。テレビやラジオより速く、新聞より詳しく、雑誌より感動できるカープナインの365話物語。田辺一球責任編集。すでに7年以上、一日も休むことなく続くカープコラム「赤の魂」やカープ情報や新球場問題などを速報する「ニュース速報」他サイトと比較して一目瞭然の「試合速報」現場で集めた「ファーム情報」携帯サイト読者とメールのやりとりする中から新たなコミュニティーを創造する「コイの季節をあなたにも...」。5つのコンテンツで税込み178円です。なお、携帯サイトと当HPをリンクさせ、全国から集まったみなさんの声をカープと新球場の未来のために同携帯サイト上や当HP上、あるいはスポーツコミュニケーションズ・ウエストが発行する書籍内において掲載させていただくことがありますのであらかじめご了解ください。

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