新空中回廊「広島の空に近い道」の提案について
~広島の空に近い道案内人代表、田辺一球 ~

 広島の空に近い道。そう名付けられた地上約12メートルの高さの空中回廊で原爆ドームと広島市民球場を結びます。この高さで繋げば、球場1階の最上部にある周回通 路から、そのまま原爆ドームをぐるりと巡る空中回廊(イメージ図参照)が実現します。 何も地上から見上げるだけが世界遺産ではありません。原爆ドームを象徴する屋根部分に近い目線まで少しだけ空に近くなることで、現在は木立の間からしか見えない上空を、修学旅行の団体や国内外からの観光客などこの場所を訪れた人なら誰でも意識することになります。
  昭和20年8月6日。人類史上初の原子爆弾が炸裂したのはこの地からおよそ600メートル上空でした。この街を一瞬にして地獄絵に変えた悪夢は、この“空間”で起こった現実です。その空気を肌で感じ、平和に澄みきった青い空を見上げることは恒久平和への祈りに通 じます。 世界遺産の原爆ドーム周辺に手を加えるには相当の覚悟が必要でしょう。でも、いずれは原爆ドーム保存の見地から風雨を防ぐための新たな建築物ができる可能性だってある訳です。
  このプランは07年夏、広島市民球場であった、さだまさしさんの平和コンサートの時にふと頭に浮かんだものです。3万2000人の大観衆で埋まったスタンドのすさまじい熱気と透明な歌声。夕闇へと変わっていく空と後方の山の緑も含め、すべてがこのステージのためにあるかのような錯覚にさえ陥る中で、三塁側スタンドのすぐ先にある原爆ドームの存在がとても大きくなっていきました。もしもそのスタンドの一部を取り除き、球場内から外の様子をそのまま見通 せるような状況を創り出したらどうなるか?他都市が真似のできない街中のオープン球場でのライブコンサート。そこに世界遺産との融合という新たな付加価値が生まれれば、広島が最も広島らしいステージがそこに誕生するのではないか…と。
  現在、広島市民球場は取り壊すことを前提にその跡地の活用策が論議されています。本来、新球場は現在地に新設される予定でしたが貨物ヤード跡地へと建設場所が変更され、その“見返り”に市民球場を取り壊して「年間150万人以上を集客する施設」(秋葉市長)の新設を表明したことが発端でした。しかし現在、カープの公式戦などで年間、相当数の集客実績がある球場機能をほかに移設するということは、周辺商業施設などに多大な影響を及ぼすことになります。現球場に匹敵する施設の新設には相当、心してかかる必要があります。 そういう中にあって広島市では広く市民や有志から声を募り、また「民設民営」のプランを選考委員会を通 じ段階を経て絞り込んできました。最終的には折鶴を展示する施設をメーンとした案など2案が優秀案として残されましたが本来なら「この案で行きましょう」となるはずの最優秀作案に該当するものはありませんでした。さらに「いずれの案も決め手に欠け、広島の貴重な空間をこうした形の選考で絞り込むのはいかがなものか?もっと時間をかけた論議が必要な時期に来ている」と指摘する関係者が増えてきました。原爆ドームとともに戦後50年、人々の記憶の中に刻み込まれた貴重なスタジアム空間です。 “新球場が別の場所にできるからもう古い球場はいらないだろう”というのは拙速だと言われても仕方ないでしょう。 指定管理者制度という最近、国内の多くの自治体で“重宝されている”制度をご存知でしょうか。市民球場北隣りの県立広島グリーンアリーナはこの制度の採用により生まれ変わりました。毎週一度の休館日が廃止され、地下駐車場もほぼ無休営業に変わり何よりトレーニング施設の利用時間が早朝、夕方以降も含めた利用者本意のものに改められました。こうした工夫により儲かったぶんは運営を任された民間企業に入る訳ですから“既存の施設を最大限に活用する”という意味ではメリットの多い制度と言えます。 この制度を使えば、たとえ貨物ヤード跡地に新球場ができても現球場存続も可能になるかもしれません。新球場は内外野天然芝で利用日数が限定されます。「今までの市民球場のような高い年間稼働率は期待できない」と断言する声は少なくありません。そこで、少年野球大会やアマチュア野球、その気になればJリーグの公式戦やフットサル大会などスポーツ王国広島ならではの現球場活用方法を探り、新たなニーズを掘り起こすと同時にコンサートなどのイベントも積極的に開催していけば一定の収入が期待できるものと思われます。
 2002年にあった日韓共催ワールドカップや2008年北京五輪などアジア各国、地域では近年、スポーツの祭典を街の発展やその都市のイメージ作りに結びつけようという動きが活発です。例えば星野ジャパンのライバルとして知られる野球どころの台湾では、現在、新たな球場を建設中の台北で古い球場もそのまま残してふたつのスタジアムで国際大会などを誘致しようという動きも見られます。
 広島でも同じようなことが可能なのではないでしょうか?大きなイベントを誘致するためには現球場周辺施設との連携も欠かせません。冒頭に紹介した“広島の空に近い道”は球場周辺との一体利用にも配慮しています。空中回廊は一塁スタンド側から広島グリーンアリーナに続くハノーバー庭園方向にも伸びていきます。さらにその先、かつて新球場建設場所の候補地にもなった中央公園や広島城方面 も繋ぎます。広島バスセンターとの間を結ぶことも条件さえ整えば可能です。市民球場を“試合のない日は閉鎖した空間”としてとらえるのではなく“空に近い道”の一部と解釈して一年中、人の出入りが絶えない空間に作り変えるのです。 実はこうした考え方は、先に紹介した市公募のプランの中にも数多く提案されています。また広島商工会議所が市に提出した独自プランにも同様の発想が盛り込まれています。ただし“現球場本体”と原爆ドームとを結ぶものはこの「広島の空に近い道」だけです。それでは、市民球場がそのままの姿で残された場合の、近い将来の風景を紹介してみましょう。 原爆ドームを訪れた観光客がそのまま球場内に足を向けます。車椅子の人も大勢、やって来ます。グラウンドでは試合の真っ最中。しかも“広島ピースマンス(平和月間)世界少年野球大会”の決勝戦が繰り広げられています。スタンドはみるみる埋まって英語やハングルが飛び交います。ベンチ型シートに寝そべって応援する人、やマス型の椅子席やカウンターテーブルにも多くの人であふれ、弁当を広げたり、中には試合そっちのけで絵本を読んでいる子供もいます。場内に設置された多目的映像装置がスポンサーCMと今月のイベント日程を交互に映し出しています。来週からはWBCワールドベースボールクラシックのアジア地区予選開幕。開会式はこの市民球場で、初戦はヤード跡地の新球場“〇〇タウンパーク”で熱戦の火蓋が切って落とされます。ふたつのスタジアムがあることで、広島は国際スポーツ大会の開催都市として認知されつつあるのです。 三塁側スタンドの一部が撤去され、逆に増設されたレフトスタンド下の交流ゾーンでは修学旅行生たちが被爆の現状について学んでいます。直前まですぐそばの本川河岸で70年近く前の8月6日について話を聴いたばかりなので、その目は真剣そのものです。
  そして、このあと一番のお楽しみが待っています。以前は商工会議所があった場所には世界の屋台村が集い、ここもいつも賑わっています。そして、人の流れは本川沿いに誕生した“川風のカフェ”の方までずっと伸びています。 毎月最終の土曜、日曜は、すっかりお馴染みになったフリマと中四国食の祭典で一日、7万人の人出が見込まれています。球場スタンドを開放し、ハノーバー庭園、さらにはグリーンアリーナも一体的に利用します。市と県が連携して州都広島から、その衛星都市と地域の魅力を全国にアピールするにはもってこいの場になりました。指定管理者制度の“民間活力”が導入されたことによって様々なことが可能になりました。既存施設に少しずつ手を加えながら周辺商業施設などと協力してこの界隈に常に来訪客の流れを呼び込む。こうした試行錯誤の積み重ねが、都心の顔を一変させたのです…。 どうでしょうか?あながち夢物語とは言えないかも…、です。次々と新設されているアメリカのボールパークは、その計画の一番最初の段階で“サイトプランニング”を実施します。「球場を建設する場所の周辺地域がどうなっているか」をつぶさに観察、調査して街の風景とボールパークを一体化させるためです。だからメジャーの球場にはわざと後方の高層ビルが見渡せるようにスタンドを変形させたり、狭い敷地を逆手に取り場外ホームランが湾の中に飛び込むような仕掛けが可能になるのです。 既存の広島市民球場をもうワンランク上の、世界に誇るステージとして生まれ変わらせることができれば…。100年先、広島の空に近い道を行き交う人々はそこで何を感じ、何を思いながらその空を見上げているでしょうか?
 
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「第4回コイのサミット」開催のお知らせ

2014年3月22日(土)に「第5回コイのサミット広島」を開催いたします。

「早く日取りを決めて欲しい!」という熱い声にお応えして、日時と場所だけ確定いたします。パネリストの方の人選など不確定な部分もございますがご了承ください。
みなさん最大の楽しみ!二次会の予約も済ませました。場所はもちろんHarayaさんです。今回もまたファン同士の結束を高め(要するに飲み会…)、1991年以来のリーグ優勝を目指すべく熱いシーズン開幕を迎えましょう!

なお初めての方も大歓迎です。私、田辺一球が楽しく!?お相手いたします。もちろんお一人様も大歓迎いたします。

翌3月23日(日)にはマツダスタジアムで午後2時からソフトバンクとのオープン戦が開催されます。しかも3連休の真っ只中です。楽しい「広島ツアー」にしていただければ幸いです。(宿泊施設のご用意はいたしませんので各自でお願いいたします)

★日時)2014年3月22日(土)午後2時「本会議」スタート予定(午後1時30分受付開始予定)※開始時間は、若干変更になる可能性もあります。詳細は、お申込みいただいた方にメールなどで通知いたします。

★会場) ウエストプラザビル2階ホール(広島市中区紙屋町2-2-2、TEL 082-504-3131)

★アクセス) 広島ど真ん中、紙屋町交差点からすぐ。高速バスなら広島バスセンター下車、広島電鉄なら紙屋町電停下車で徒歩数分、JR広島駅からタクシー15分以内。山陽自動車道広島ICより約6キロ。駐車場は用意されておりませんので近隣でお探しください。

★会費) おひとり様3,500円(税込、ドリンク&食事付き)中学生以下は無料。会費は当日、サミット開催前に受付で集めさせていただきます。おつりのないよう、ご用意ください。

★募集定員) 40名ぐらい…

★パネリスト)田辺一球(広島魂!代表)以外は未定

★サミット参加のお募集申込み方法
「本会議」とそのあとの「二次会」の2部構成です。「一球調査団」は、今回は実施しない方向です。「本会議」会場から「二次会」会場まではたぶん、徒歩でも行くことができます。路面電車利用の場合は実費のご負担となります。

参加希望の方は、メールで以下の項目を明記の上、お申し込みください。なお、会費を当日いただくこともあり、キャンセルは極力避けていただきますようお願いいたします。

・お名前 
・住所(郵便番号)
・年齢
・2人以上でご参加の場合は残る参加者全員のお名前と年齢
・あなた様、もしくは代表者連絡先電話番号(メールがお返しできない場合がございます。その際にお電話します)
・「二次会」参加の有無(お申込みのあと二次会のキャンセルは極力、避けていただきたいと思います)
・サミット参加回数(今回含む)
・その他、ご要望、ご質問など

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覚醒スイング

2013年04月07日更新

お立ち台に上がったふたりのヒーローが、冷たい風の吹きつけたデーゲームのスタンドを熱くした。

「常にみんな声が出ていて、点が入りやすいムードができていたと思うし、みなさんの応援もすごく僕らにとって大きな存在なので、本当にありがとうございました」

4打数で2得点3安打1打点と1四球の活躍を見せた丸がファンにメッセージを送ったあと、マイクを向けられたマエケンが言った。

「チームの状況は苦しいですけど、ファンの皆さんはちょっと暗いです。明るく笑って球場に来てください!」

開幕第2戦で8回1失点の投球を見せながら“不発”に終わったマエケンは、東京ドームでも投げていた130キロ台中盤の高速スライダーを組み立ての中心に据えた。WBCを経験したことで「帰国してから腕が振れるし意外にスピードが出ている」真っ直ぐに変化を感じ取り、スライダーも同じ勢いで振り抜くことができた。

「一番の西岡さんはもちろん、どの打順も怖い」という阪神打線を相手に終わってみれば7回2安打1四球の無失点とほぼ完璧に抑え込んだ。真っ直ぐと高速スライダー、それにチェンジアップを低目に集め、外野に飛ばされたのは西岡の中前田、福留の左飛、コンラッドの中飛の3度だけだった。

6対1快勝の原動力がマエケンの投球内容にあったのは間違いない。だが、打線の援護がなければエースと言えども勝ちようがない。

「二番の丸がいっぱい出ていっぱい帰ってきてくれました!」。ヒーローインタビューの初っ端にマエケンはそう叫んだ。試合の流れを作ったのは8試合消化時点で早くも3度目の猛打賞獲得し、一、二回と立て続けにナイス走塁でホームに還ってきた丸だった。

打つだけではない。走っても守っても球界トップレベルの水準を目指す。丸の“イチロー化計画”は新井打撃コーチの就任と同時にスタートした。

「バッティングは力じゃない、スイングスピードとレベルスイング、そしてボールを見送る姿勢の中にいかに打ちにいく形を作るか、だ」。新井理論をナインに浸透させる作業は前年秋の日南キャンプでその第一歩を踏み出した。

新井コーチが真っ先にやったこと。それはひとりひとりのバットの形状、グリップの形、バランス、重さのチェックだった。

丸のバットはそれまで使用していたものより30グラム前後軽量化され、“スイングスピードの高速化”を可能にした。同時にこれまでダウンスイングをイメージして、構えた時に両肩のラインより高い位置に固定していたグリップを、同ラインのかなり下まで降ろした。

「打撃改造」には勇気がいる。だが丸には迷っている時間はなかった。2011年に初めて規定打席に到達して105安打を放ったのに2012年は70安打を放つのが精一杯だった。目の前に大きな壁があることは分かっていた。2000本安打の新井理論を吸収することで覚醒する自分に賭けた。

2月、再び日南に入るやいなや反復練習が始まった。「レベルスイング」への移行は簡単ではなかった。「まだまだ、自分のものにするには相当かかると思います」。キャンプ序盤は試行錯誤の連続だった。

それでもシート打撃や紅白戦が始まると、丸のバットから快音が響くようになった。グリップの位置が下がったことでスイングが以前と比べてずいぶんシンプルになった。肩の余分な力も抜けたように見えた。

オープン戦の時期になっても極端にバッティングの状態が悪くなるようなことはなくなった。「外の球をとらえることができている。精度をもっと高めたい。手ごたえは感じています」。テーマのひとつだった「確実性」が増してきた。

試合前、新井打撃コーチが上げるトスを打つ、というルーティンはマツダスタジアムでも遠征中でも3月いっぱい続けられた。最初は外角の球を強くショート頭上へ強く打ち返せるように丸から見て左45度の角度から、続いて新井コーチが丸の正面に入り、ネットの影から上げるトスをフルスイングした。

新井コーチには、かつてイチローの打撃スタイルの基本を、このトスバッティングで固めた実績と経験、もっと言えば信念がある。同じ道を歩むことで丸のバットの軌道はそれまでとはまったく違ったものになり始めた。地面と平行にバットのヘッドを移動させ、最後の大きなフォロースルーと同時に風を斬る音が聞えてきた。

オープン戦の時期にはもうひとつのテーマにも挑戦した。オープンスタンスから右足を上げて踏み込もうとすると、相手投手が「クイック」で崩しにかかってくるようになったからだ。

自分のタイミングで打とうとすれば上げた足を降ろした時には完全に差し込まれてしまう。そこで上げた右足を途中で早めに一度、地面と接触させ軽くステップして本来の踏み出し位置に右足を着地させる「二段ステップ」に打撃フォームをアレンジした。

守ること、走ることにおいてもキャンプからワンランク、ツーランク上を目指して丸はやってきた。打つだけではレギュラーにはなれない。同時並行であらゆる課題に取り組みながら丸は2013年シーズンを迎えることになった。

日南キャンプ終盤、丸や安部の屋内打撃練習を見守りながら新井コーチが話し始めた。

「よく少年野球の本などに体重を残して振りにいき、そこからもう一度体重移動などと書いてあるがそれは間違い。それではスウェーしてしまう。ステップして着地した時にピッチャーに向かっていく形ができていれば体重移動していてもOK、言い換えれば下半身は打ちにいく、しかし上半身は残すんです。そしてみんな試合で10の力で振ろうとするけど練習10なら試合は8ぐらいでいいんですよ」

新井理論の引き出しはおそらく無数にあるはずだ。打球音とマシンの油切れの音が一定のリズムで繰り返される現場で話はなおも続けられた。

「ヘッドがうまく使えないとバットが折れたりもするんですよ。そのためにはまずバットの握りから変えなくてはいけない選手もたくさんいる。そうやってヒットを重ねていく。うまくいけば280には届く。その先、いかにして300をクリアするのか?そこにはラッキーなヒットや内野安打も当然、必要になってくるんです」

話の最後に新井コーチ自らが口にした「打率3割」の目標に到達できる愛弟子は果たして…?かつて神戸の空の下、「前人未踏のシーズン200安打」を可能にした新井理論とイチローの振り子打法が紡いだ物語。その続編がこの広島でまさに今、始まろうとしている。

カープと広島を愛する人たちに贈る携帯サイトの決定版。テレビやラジオより速く、新聞より詳しく、雑誌より感動できるカープナインの365話物語。田辺一球責任編集。すでに7年以上、一日も休むことなく続くカープコラム「赤の魂」やカープ情報や新球場問題などを速報する「ニュース速報」他サイトと比較して一目瞭然の「試合速報」現場で集めた「ファーム情報」携帯サイト読者とメールのやりとりする中から新たなコミュニティーを創造する「コイの季節をあなたにも...」。5つのコンテンツで税込み178円です。なお、携帯サイトと当HPをリンクさせ、全国から集まったみなさんの声をカープと新球場の未来のために同携帯サイト上や当HP上、あるいはスポーツコミュニケーションズ・ウエストが発行する書籍内において掲載させていただくことがありますのであらかじめご了解ください。

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