赤の魂(携帯版)

赤の魂、紫の疾風j

2012年07月14日

迎が2発、廣瀬がバックスクリーンに1発。ハマの夜空に2日間で実に6発。両軍9安打ながら8対3の圧勝でDeNAからシーズン10勝目(1敗)を奪い取り、サヨナラ負けしたヤクルトに2ゲーム差に詰め寄った。

「前半は(統一球に)苦しんだけど、今は思い切り振ろうと言っている。練習はしてきたし、(みなさんの)想像よりいろいろなことをやっている」(野村監督)

これで7月は8勝2敗。9勝8敗2分とやっとの思いで勝ち越した6月を考えれば「よくぞここまで」というのが、レフトスタンドを赤く染めたファンの偽らざる心境だろう。

チーム躍進の要因は明確だ。マエケンを軸に回る先発陣の安定感に加えて、僅差の勝ちゲームで七回以降に投げる3人が決まったことで「先行逃げ切り」スタイルがより鮮明になった。

一方で、「先行」するためには塁に出て先制のホームを踏む役割が“切り込み隊長”求められる。開幕から長らく得点力不足に悩まされたのは一番東出、梵の出塁率の低さがネックになっていた。

天谷が一番を打つようになってから状況は一変した。7月の10戦だけを見ても天谷が先制点を記録した試合が4度もある。

天谷は現在、打率3割2分7厘。シーズン終了時、規定打席にギリギリ到達すれば首位打者も夢ではない。出塁率も3割7分9厘。巨人長野、ヤクルト・ミレッジ、DeNA石川ら他球団の一番打者の誰より高い。

では、その天谷が開幕時にどうしていたか?今さら繰り返すこともないだろう。もっと言えば19試合で19通りのオーダーを組んだオープン戦で一番を打ったのは東出17回、丸と石井琢が1回ずつ。「一番天谷」はその時点では首脳陣の頭にはなかったことになる。

この“仮定”でオープン戦のオーダーを見返していけば二番は梵、三番はバーデン、松山、ニック、四番は栗原、五番は松山かニック、六番は廣瀬、七番以降は会澤、堂林、丸…。

ここでもまた岩本の名前が見当たらない。逆にキャンプ、オープン戦を通じての野村カープの“目玉”のはずだった松山と會澤は長らく一軍を外れている。

この“逆転現象”、実は投手陣の中でも見受けられる。今夜の試合で七、八回のイニング跨ぎをこなし、150キロオーバーの火の球で下園のバットをバラバラに砕き、ルイーズを空振り三振に仕留めた今村もそうだ。

オープン戦仕上げの段階で今村はセーブのつく場面などでの起用法を試されていた。それがいざフタを開けてみるとセットアッパーと抑えはミコライオ、サファテ。もちろんホールドのつく場面での起用もあったが、3イニングを任されたり8点ビハインドの九回に投げることもあった。

ところが開幕から2カ月が経過した交流戦の最中、サファテが登録を抹消されたことでセットアッパーの仕事が舞い戻ってきた。“本人の状態”より“周りの状況”に対処するための「副産物」がチームを後押しする構図は天谷や岩本のケースと酷似している。

年明けから「野村カープとの比較論」という意味でも注目してきたサンフレッチェ広島が広島ビッグアーチにこの夜、川崎フロンターレを迎えて3対0で快勝した。リーグ戦折り返しの初戦に勝ち点「3」を奪ったサンフレッチェは開幕直後から首位をキープしていた仙台を総得点で上回り、ついにJ1、18チープのトップに立った。

前半2分の先制点は左コーナーキックから。しかもペナルティエリアの外に蹴り出すトリックプレーを見事に決めた。

5年半に渡ってサンフレを指揮した前任者のペトロヴィッチ氏(現浦和監督)はチームの中から「ダイヤモンドの原石」を拾い上げて磨き上げ、それまでJリーグにはなかった攻撃コンセプトを植え付けることで魅力的なチーム作りに邁進した。

しかし輝きを増すスター選手を地方クラブが引き止めておくのは容易なことではない。柏木、槙野、李忠成…。センターラインを形成する主軸選手の流出が続く中、最後には「監督流出」の異常事態にも見舞われたクラブ側は「切り札」の森保新体制に移行せざるを得なくなった。

森保一監督は「前任者の作り上げたものをベースに守りの意識を徹底させる」とのコンセプトを就任会見当初から打ち上げた。加えてペトロヴィッチ時代には練習することもなかったセットプレーでの得点力アップを目指すなど「個に頼らずチーム全体で戦っていく」ための手法を細部に渡って組み入れた。

驚かされことがある。

3月10日の広島ビッグアーチ。開幕戦の相手は奇しくもペトロヴィッチ監督率いる浦和だった。3万大サポーターの声援を受けて1対0で勝利したこの試合、試合終了間際に森保監督は新戦力FWの石原に代えて20歳の大崎を投入した。もう敵も味方も疲労困憊で頭の中も痺れそうな場面でも新監督は冷静だった。



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「第4回コイのサミット」開催のお知らせ

2014年3月22日(土)に「第5回コイのサミット広島」を開催いたします。

「早く日取りを決めて欲しい!」という熱い声にお応えして、日時と場所だけ確定いたします。パネリストの方の人選など不確定な部分もございますがご了承ください。
みなさん最大の楽しみ!二次会の予約も済ませました。場所はもちろんHarayaさんです。今回もまたファン同士の結束を高め(要するに飲み会…)、1991年以来のリーグ優勝を目指すべく熱いシーズン開幕を迎えましょう!

なお初めての方も大歓迎です。私、田辺一球が楽しく!?お相手いたします。もちろんお一人様も大歓迎いたします。

翌3月23日(日)にはマツダスタジアムで午後2時からソフトバンクとのオープン戦が開催されます。しかも3連休の真っ只中です。楽しい「広島ツアー」にしていただければ幸いです。(宿泊施設のご用意はいたしませんので各自でお願いいたします)

★日時)2014年3月22日(土)午後2時「本会議」スタート予定(午後1時30分受付開始予定)※開始時間は、若干変更になる可能性もあります。詳細は、お申込みいただいた方にメールなどで通知いたします。

★会場) ウエストプラザビル2階ホール(広島市中区紙屋町2-2-2、TEL 082-504-3131)

★アクセス) 広島ど真ん中、紙屋町交差点からすぐ。高速バスなら広島バスセンター下車、広島電鉄なら紙屋町電停下車で徒歩数分、JR広島駅からタクシー15分以内。山陽自動車道広島ICより約6キロ。駐車場は用意されておりませんので近隣でお探しください。

★会費) おひとり様3,500円(税込、ドリンク&食事付き)中学生以下は無料。会費は当日、サミット開催前に受付で集めさせていただきます。おつりのないよう、ご用意ください。

★募集定員) 40名ぐらい…

★パネリスト)田辺一球(広島魂!代表)以外は未定

★サミット参加のお募集申込み方法
「本会議」とそのあとの「二次会」の2部構成です。「一球調査団」は、今回は実施しない方向です。「本会議」会場から「二次会」会場まではたぶん、徒歩でも行くことができます。路面電車利用の場合は実費のご負担となります。

参加希望の方は、メールで以下の項目を明記の上、お申し込みください。なお、会費を当日いただくこともあり、キャンセルは極力避けていただきますようお願いいたします。

・お名前 
・住所(郵便番号)
・年齢
・2人以上でご参加の場合は残る参加者全員のお名前と年齢
・あなた様、もしくは代表者連絡先電話番号(メールがお返しできない場合がございます。その際にお電話します)
・「二次会」参加の有無(お申込みのあと二次会のキャンセルは極力、避けていただきたいと思います)
・サミット参加回数(今回含む)
・その他、ご要望、ご質問など

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覚醒スイング

2013年04月07日更新

お立ち台に上がったふたりのヒーローが、冷たい風の吹きつけたデーゲームのスタンドを熱くした。

「常にみんな声が出ていて、点が入りやすいムードができていたと思うし、みなさんの応援もすごく僕らにとって大きな存在なので、本当にありがとうございました」

4打数で2得点3安打1打点と1四球の活躍を見せた丸がファンにメッセージを送ったあと、マイクを向けられたマエケンが言った。

「チームの状況は苦しいですけど、ファンの皆さんはちょっと暗いです。明るく笑って球場に来てください!」

開幕第2戦で8回1失点の投球を見せながら“不発”に終わったマエケンは、東京ドームでも投げていた130キロ台中盤の高速スライダーを組み立ての中心に据えた。WBCを経験したことで「帰国してから腕が振れるし意外にスピードが出ている」真っ直ぐに変化を感じ取り、スライダーも同じ勢いで振り抜くことができた。

「一番の西岡さんはもちろん、どの打順も怖い」という阪神打線を相手に終わってみれば7回2安打1四球の無失点とほぼ完璧に抑え込んだ。真っ直ぐと高速スライダー、それにチェンジアップを低目に集め、外野に飛ばされたのは西岡の中前田、福留の左飛、コンラッドの中飛の3度だけだった。

6対1快勝の原動力がマエケンの投球内容にあったのは間違いない。だが、打線の援護がなければエースと言えども勝ちようがない。

「二番の丸がいっぱい出ていっぱい帰ってきてくれました!」。ヒーローインタビューの初っ端にマエケンはそう叫んだ。試合の流れを作ったのは8試合消化時点で早くも3度目の猛打賞獲得し、一、二回と立て続けにナイス走塁でホームに還ってきた丸だった。

打つだけではない。走っても守っても球界トップレベルの水準を目指す。丸の“イチロー化計画”は新井打撃コーチの就任と同時にスタートした。

「バッティングは力じゃない、スイングスピードとレベルスイング、そしてボールを見送る姿勢の中にいかに打ちにいく形を作るか、だ」。新井理論をナインに浸透させる作業は前年秋の日南キャンプでその第一歩を踏み出した。

新井コーチが真っ先にやったこと。それはひとりひとりのバットの形状、グリップの形、バランス、重さのチェックだった。

丸のバットはそれまで使用していたものより30グラム前後軽量化され、“スイングスピードの高速化”を可能にした。同時にこれまでダウンスイングをイメージして、構えた時に両肩のラインより高い位置に固定していたグリップを、同ラインのかなり下まで降ろした。

「打撃改造」には勇気がいる。だが丸には迷っている時間はなかった。2011年に初めて規定打席に到達して105安打を放ったのに2012年は70安打を放つのが精一杯だった。目の前に大きな壁があることは分かっていた。2000本安打の新井理論を吸収することで覚醒する自分に賭けた。

2月、再び日南に入るやいなや反復練習が始まった。「レベルスイング」への移行は簡単ではなかった。「まだまだ、自分のものにするには相当かかると思います」。キャンプ序盤は試行錯誤の連続だった。

それでもシート打撃や紅白戦が始まると、丸のバットから快音が響くようになった。グリップの位置が下がったことでスイングが以前と比べてずいぶんシンプルになった。肩の余分な力も抜けたように見えた。

オープン戦の時期になっても極端にバッティングの状態が悪くなるようなことはなくなった。「外の球をとらえることができている。精度をもっと高めたい。手ごたえは感じています」。テーマのひとつだった「確実性」が増してきた。

試合前、新井打撃コーチが上げるトスを打つ、というルーティンはマツダスタジアムでも遠征中でも3月いっぱい続けられた。最初は外角の球を強くショート頭上へ強く打ち返せるように丸から見て左45度の角度から、続いて新井コーチが丸の正面に入り、ネットの影から上げるトスをフルスイングした。

新井コーチには、かつてイチローの打撃スタイルの基本を、このトスバッティングで固めた実績と経験、もっと言えば信念がある。同じ道を歩むことで丸のバットの軌道はそれまでとはまったく違ったものになり始めた。地面と平行にバットのヘッドを移動させ、最後の大きなフォロースルーと同時に風を斬る音が聞えてきた。

オープン戦の時期にはもうひとつのテーマにも挑戦した。オープンスタンスから右足を上げて踏み込もうとすると、相手投手が「クイック」で崩しにかかってくるようになったからだ。

自分のタイミングで打とうとすれば上げた足を降ろした時には完全に差し込まれてしまう。そこで上げた右足を途中で早めに一度、地面と接触させ軽くステップして本来の踏み出し位置に右足を着地させる「二段ステップ」に打撃フォームをアレンジした。

守ること、走ることにおいてもキャンプからワンランク、ツーランク上を目指して丸はやってきた。打つだけではレギュラーにはなれない。同時並行であらゆる課題に取り組みながら丸は2013年シーズンを迎えることになった。

日南キャンプ終盤、丸や安部の屋内打撃練習を見守りながら新井コーチが話し始めた。

「よく少年野球の本などに体重を残して振りにいき、そこからもう一度体重移動などと書いてあるがそれは間違い。それではスウェーしてしまう。ステップして着地した時にピッチャーに向かっていく形ができていれば体重移動していてもOK、言い換えれば下半身は打ちにいく、しかし上半身は残すんです。そしてみんな試合で10の力で振ろうとするけど練習10なら試合は8ぐらいでいいんですよ」

新井理論の引き出しはおそらく無数にあるはずだ。打球音とマシンの油切れの音が一定のリズムで繰り返される現場で話はなおも続けられた。

「ヘッドがうまく使えないとバットが折れたりもするんですよ。そのためにはまずバットの握りから変えなくてはいけない選手もたくさんいる。そうやってヒットを重ねていく。うまくいけば280には届く。その先、いかにして300をクリアするのか?そこにはラッキーなヒットや内野安打も当然、必要になってくるんです」

話の最後に新井コーチ自らが口にした「打率3割」の目標に到達できる愛弟子は果たして…?かつて神戸の空の下、「前人未踏のシーズン200安打」を可能にした新井理論とイチローの振り子打法が紡いだ物語。その続編がこの広島でまさに今、始まろうとしている。

カープと広島を愛する人たちに贈る携帯サイトの決定版。テレビやラジオより速く、新聞より詳しく、雑誌より感動できるカープナインの365話物語。田辺一球責任編集。すでに7年以上、一日も休むことなく続くカープコラム「赤の魂」やカープ情報や新球場問題などを速報する「ニュース速報」他サイトと比較して一目瞭然の「試合速報」現場で集めた「ファーム情報」携帯サイト読者とメールのやりとりする中から新たなコミュニティーを創造する「コイの季節をあなたにも...」。5つのコンテンツで税込み178円です。なお、携帯サイトと当HPをリンクさせ、全国から集まったみなさんの声をカープと新球場の未来のために同携帯サイト上や当HP上、あるいはスポーツコミュニケーションズ・ウエストが発行する書籍内において掲載させていただくことがありますのであらかじめご了解ください。

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